耐震診断による耐震補強工事

  • 耐震工事の例

 耐震補強工事は耐震診断により最も効率よく費用が掛からないところを考慮して工事をします。押入の壁補強(仕上げを構造用合板表しとする)がその代表です。最初に広縁での耐震工事例をあげます。

 天井部分を剥がし火打ち梁(鋼製)を入れます。ここで大切なのは壁を補強しても水平の剛性も高めなければ耐力壁の補強効果は上がらないことです。天井を剥がして壁補強する場合は必ず2階の床組を補強します。そして柱と梁に接合金物を取付けます。金物の種類は柱の引抜の大きさにより決めます。

 

 床部分を剥がし柱と土台に接合金物を取付けます。天井裏柱と梁に取付けた金物と同じものです。床を剥がしたときに土台の状況、基礎の状況、白蟻による被害状況の有無を確認します。

 

 構造用合板を張ります。土台から胴差、梁まで張ります。柱に直に張ります。(大壁とする)


 土台、柱へ直に構造用合板を張ります。

 

 防蟻、防腐処理をして床を張ります。

 

 構造用合板にプラスターボードを貼ります。

 

構造用合板とプラスターボードを張った小口へ見切材(額縁)を加工して取付します。

 

左官屋さんに仕上てもらい終了。既存の壁と色を変えて仕上ました。

 

 

耐震工事の例 和室押入

 

 押入の壁補強(仕上げを構造用合板表しとする)例です。

 

 ここも床を剥がしたときに土台の状況、基礎の状況、白蟻による被害状況の有無を確認します。柱と土台に接合金物を取付けます。

 

柱と梁に接合金物を取付けます。

 

 構造用合板を張ります。土台から胴差、梁まで張ります。柱に直に張ります。(大壁とする)

 

 構造用合板を張り耐力壁とする部分に基礎がなかったため、配筋して基礎を新設します。

 

 防蟻、防腐処理をして根太を取付床を張ります。

小屋組、梁に対して火打ち梁を増設して変形を抑えます。

耐震補強工事のポイント

①壁の補強(地震に抵抗)そしてバランスよく壁補強をする。壁補強の配置を考慮することにより効果が増す。

②壁の補強と同時に2階の床組などに火打ち梁を入れ水平方向の剛性も高める。

③ひびわれた基礎の補修、壁補強する部分に基礎がなければ新設する。

④リフォーム工事と合わせて耐震工事をするときは劣化した部分の改修もする。

⑤屋根を軽い屋根に葺き替える。工事金額に注意を払い他の補強工事と合わせ十分な検討をする。